『京都新聞』「脱・成長主義」より

一応、新聞をケンキュウしているので、「ええな」と思う記事に巡り会うと、嬉しくなってしまいます♡

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『京都新聞』2018年1月24・25日朝、「脱・成長主義! 佐伯啓思さんが 越前屋俵太さんと語る」より

俵太「芸能界と戦って心が折れて、俺はもうダメだと思う時もあったけど、(「5年ほど、ぼおっとしてました。京都市北部の田舎でたき火をしたり、夜空を眺めたり」)そうか冬の時代も必要やなと気づかされた」

佐伯「なるほど。僕も成長自体がダメと言っているわけではなくて、日本や世界を覆う浅薄な成長史上主義に懐疑的なんです。花で言えば、去年より今年は多く花を咲かせないといけない、来年はもっと、というふうに。根が腐ってきているのに、そこは目を背けている。最後は人工の花でも咲かせて成長しようというわけです。」

佐伯「日本の現状を冷静に見れば、それほどの成長はできない。しかし成長主義を価値にすると無理に頑張らないといけない。揚げ句、体も心も疲れ果てて、他人への攻撃に向かう。社会が窮屈になっている、と多くの人がうすうす感じている。じゃあまずは一人一人がこの流れを止めましょうよ、と言いたい。大きな仕組みを変えるのは大変だが、家族や友人がいる半径10㍍ぐらいから始めるといいんじゃないかな。」

佐伯「見逃せないのが、人口減少です。人口減少はだらだらと国の活力をそぐ。政府は外にフロンティアを求めたがるが、私たち一人一人はむしろ、身の回りの大事なものを見つめ、自分の土壌を固めるほうがいい」

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(以下所感)
まず、鴨川でコタツもセンスが良い!変人が集う『京都新聞』路線が正解!
(うち、もしかしたら目撃しているかも!)
京都大学の思想家佐伯先生と俵太さんのコンビネーションは、堅実。

内容は。
成長することそのものを批判しているわけではない。
バランスよくっていうことかな。
「おなかがいっぱいになったら、食べるのをやめるでしょ?」
「おなかが空いたら、食べるでしょ?」
「成長もおんなじよ」
と、うちは読みました。

佐伯さんは、世の中を直視、静観しての発言。まさしく、と同意。
俵太さんの、山で暮らして…も、休憩しながらも生産的で素敵。

http://www.kyoto-np.co.jp/country/article/20180124000082(前編)http://kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20180125000168(後編)