助産師さんの検診

妊娠が分かった4月、つまり妊娠6週目頃から宮川さんと連絡を取っていましたが、
宮川さんの条件が整わず、
海助産院での出産を前提とした検診を受けられたのは、
臨月間近の11月22日でした(12月6日が予定日)。
(ここまで遅くなったことについては、また改めて書きます。)

すごくすごく幸せだった、助産師さんの妊婦検診。
あと何回診てもらえるかなと、指で数えた妊婦検診。
そんな助産師による妊婦検診ってどんな風なのか。
11月22日の妊婦検診の様子を書いてみます。

<助産師さんが家に来る>
11月22日、妊娠38週目。
宮川さんは、何度も病院の検診に同行してくださいましたが、
今日が宮川さんが行う初めての検診日です。
検診場所はもちろん自宅。
宮川さんは自転車か公共交通機関か、
研修で同行される助産師の自動車でお越しになるとのこと、
その日は研修中の助産師さんと、自転車でお越しになりました。
検診時間の長さはいつも1時間以上。
宮川さんには2時間は時間をとっておいてね、と言われています。
産婦人科だと、大きな検査がなければ10分に満たないくらいなので、
かなり長時間の検診です。
私は宮川さんがお越しになる時間に合わせて軽く掃除をし、
お気に入りのお茶があればそれを準備します。
妊娠中、体を冷やす白砂糖を控えていたので、
基本、お菓子は準備しませんでした。

昼、14時頃頃、
「こんにちわー」とニコニコ笑顔の宮川さんと
研修中の小森さん(もちろん助産師の資格はあります)が玄関に。
居間に入られて、検診が始まります。
(今となっては懐かしい光景です)

<ゆっくりのんびり問診時間>
宮川さんが大きなショルダーバックを置き、
なんとなくの定まった位置に座って、検診が始まります。

「変わりはないですかー?」と体調の確認。
前回教えてもらった膣マッサージについての質問や、
ここ2週間の体調の変化、
例えば、先週はどこどこに行ってちょっと疲れた、とか
こういう体勢はしていいの?などと、のんびり話します。

ひとしきり話が終わったところで、
宮川さんのお話の番。
前に私が「お産の瞬間の産婦の体の仕組みを教えてほしい」と
リクエストしていたので、
骨盤の模型を持って、
事細かに説明してもらいました。
(詳細は改めて書きます)
これが結構面白かった。

あとは母乳がよく出るようにと牛蒡子をいただき、
炒って毎日20粒くらい食べてねと教えてもらう。

そして産後の説明も。
お産のとき、骨盤が緩むけれど、
全身の関節全部が緩むから腱鞘炎になりやすい。
抱っこで腱鞘炎になることもあるから気をつけてね、とか
骨盤底筋はお産で壊れてしまう。ゆっくり時間をかけて治してね。
と教わりました。

そしてやっぱり気になる、産まれる時。
「陣痛ってどんなんですか?」
いくら聞いてもやっぱりわからない未知の痛み。
「どんなふうに痛くなれば、宮川さんを呼べばいいですか?」
と聞くと、「いつでも呼んでいいよ」と。
「おしるしっていう軽い出血があったら、
呼んでも呼ばなくてもいいから教えてね」
「破水したら、絶対呼んだ方がいいですか?」
と聞くと、
「しっかり温めていたら、破水はそこまでしないから」と。

<優しい触診>
その後、自宅にある体重計に乗って
紙コップで尿検査。
リトマス紙みたいなのをつけて、その場で結果がわかる。

そして平らなところに寝転んで、
血圧や腹囲、をはかる。
血圧測定は聴診器を使ったもの、腹囲測定は普通のメジャー。
心音も聞いてくれるけれど、それもほんの小さな機械。
画像はなく、心音だけが聞こえるもの。
助産師セット、レトロでかわいい。

そして最後に触診です。
宮川さんが
「かのこちゃーん、こんにちはー。元気ですかー?
そうですかー^^元気ですか^^
そしたらちょっと触らせてくださいねー」
と声をかけてくださり、
宮川さんが私の腹に手をあてます。
お腹のかのこはのんびりと嬉しそうで、
宮川さんの手にされるがまま。
のんびりしているみたい。
宮川さんはそーっとお腹を押して、
頭や腰の位置を確認。
逆子にはなっていないこと、顔の向きを確認される。
私も一緒に触るのだけど、
イマイチ私にはかのこの姿勢までははっきりわからない。
それでも、硬い骨盤はわかりました。

夕方、疲れると硬くなりやすいお腹だけど、
私はノンストレスのおかげか、本当にふかふかみたい。
「羊水もたっぷりだから、かのこちゃん、気持ちいいよ」
と言ってもらえて私も嬉しい。

そして宮川さん、お腹に耳をくっつけて、
聞こえるかなーと心音を聞いてくれる。
背中の位置が私のおへそ側に来ていると、心音が聞こえるそうな。
胎児の心音を聞けるのは、旦那さんの特権よーと
キョウちゃんにも聞いてもらう。
私のお腹に耳をくっつけて、かのこの心音に集中している姿は
とっても、美しかった。
そして、「臨月になったら、お腹の張りが出てくるよ、
でもそれはお産に向けたいい張りだから、安心してね」
と言ってもらいました。

そして内診。
病院だと器具を使った内診も、
宮川さんはゴム手袋をつけた指で行われます。
膝に毛布をかけて診察。
しっかりしまっていたであろう子宮経口は
指一本分空いているとのこと。
数字にすると、1cmくらい?
病院ではなんでも数字だったけれど、
宮川さんの値は指の本数。
それもなんだか優しく感じる。

全て順調と診察は終わり。

そしてお互い手帳を見ながら、
次に遊ぶ日を決めるように次回の検診の約束をして、
検診は終了です。

その日は午前中に農家さんが遊びに来ていて、
お野菜を食べきれないくらい置いていってくれました。
本当に食べきれないので、
宮川さんと小森さんのおすそ分け。
自転車にお野菜をたくさん積み込み、宮川さんは帰って行かれました。

<料金>
自宅出産、訪問検診というと、高いんじゃない?と言われます。
けれどもそんなことはありませんでした。
検診の費用は、受診券(3000円分)に2000円支払い。
産婦人科よりも、1500〜2000円ほど安くて、
総合病院より、500円ほど高い印象です。(ただし検査料金は別)
分娩時もさほど、変わらない印象でした。
(料金については、改めて書きたい)

<結局は好みの問題>
病院での検診、助産師による検診、どちらが良いか。
結局は好みの問題です。
「好み」を言い換えるなら、
どんなお産をしたいか、自分のお産観の問題です。

私のお産観。
まずは何と言っても、安産。
私にとっての安産の秘訣は、安心感でした。
安心感を得るには、つまり助産師さんとの会話。
自分で納得して、自分のペースでお産を進めることができるように、
色々と知ることが大切。

その上でのお産観は、お産をいう人生に何度あるかわからない経験を
しっかり存分に味わいたい。
そのためには余裕を持って、様々な出来事を楽しむこと。
そのためにも、お産をリードしてくださる、
助産師さんとの会話と、自分の知識、
そして予想しない出来事を受け入れる自分への余裕が大切。

つまり私にとっては、
専門家である助産師さんとのたっぷりのおしゃべりの時間が
安心、そして安産に直結しました。

自宅出産は不安じゃない?となんども聞かれましたが、
2時間弱も話をしていると、
本当になんでも聴けてしまうので、不安はなくなります。

といいつつ、私は妊娠後期まで産婦人科に行かざるを得なかったので、
エコーの検査も受けていました。
お腹の中の白黒のエコーの写真と助産師さんとの対話の時間は、私の大事な宝物です。

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