京町家はリサイクル?! 〜梁の焦げ跡〜

<町家の解体作業へ>
昨日に引き続き、今日も一つ材木ネタを。
享ちゃんの本業はデザイナーなんですが、
しょっちゅう、肉体労働(!?)の手伝いに行っています。
(どこからそんなツテがあるんだか笑)

その日も町家の解体現場に助っ人で出動していました。
その町家は築100年にもなろうかという古い建物。
人が住まなくなって何十年も経っているので、
外見は超ボロボロ。
けれども、いざ解体すると、非常によい素材が使われているようで、
この日も煤竹(すすだけ)を数本もらって帰っていました。

ちなみに煤竹とは扇子の骨に使われたりする竹材です。
白竹(しらたけ)と呼ばれる白い竹を、囲炉裏のようなところで煙で燻す。
茶色なり、かつ防虫効果が高まった竹のことを言います。
解体の手伝いに行くと、何かとゲットしてくるのです。

<焦げ跡のある梁>
煤竹のお土産とともに、その日は面白いものを見つけたといいます。

町家の天井を通る、頑丈な梁。
そこに焼け焦げた跡があったというのです。
けれども「?」なこともいくつか。
例えばしかも普通の火事だと、炎は下から上に上がります。
だから天井の梁だと、下側が焦げているはず。
けれどもその梁は、上側が焦げている。
また火事だから、もちろん周辺部にも焦げ跡がある。
けれどもその周辺には焦げ跡は全くなく、
その梁だけに燃え跡があったそうです。

<火事で焦げた梁>
これはどういうことなんでしょう。
この梁は、どこか別の場所で火災にあった町家の木材なのです。
「 焦げ目がついたけれど、まだ使えるわね」と
判断された木材が、
また別の家の梁として利用されたということ。
焼け焦げた木材でも廃材とせず、
再び別の家で使うという営み、びっくりです。

ともすれば 「家事にあった家の材木なんて、縁起が悪い」と言われそう。
けれどもそんなことは全くなく、手入れをして、再利用されるんですね。

<良いものだから、ずっと使う>
痛んだ材木を手入れして使う。しかも火事で燃えている。
これってどういうことなんでしょう…??
ちょっと面白いので書いてみます。

享ちゃんは「町家の木材、結構ええ加減やで〜」という口ぶり。
いい加減なのかな、そうなのかな!?

そこでふと思い出した、
私の母の実家の家業である着物の色抜き屋という仕事。
この仕事、今はほとんどないのだけど、
1枚の着物を別の色に染め直すために、
一旦色を抜いて白い着物に戻す、という作業で、
1枚の着物をなんどもなんども使っていたということ。

そう考えると、梁の再利用もこれと同じじゃないのかな?と。
使えるものをなんども使う。
多少痛んでも、何度も。本当に何度も。
逆に言えば、
手入れをすればなんどもなんども使えるくらい、
いい素材を使っている。いわゆる高級な素材を使っている。

昔のものって面白いですね〜〜ほんと奥が深いです!

町家の解体の様子。
こんなぐちゃぐちゃなところから、
お宝を探してくるなんてすごい〜〜

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