コンサートを終えると、あたりはすっかり夜に。
プラハの街は、ディナーとバーがたくさん。
プラハの街一押しらしい、オープンテラスのお店にしようかと
思ったけれど、趣向を変えて普通のお店に。
そのたまたま入ったお店が、グランドピアノが置いてあって、
ジャズの生演奏が奏でられた
とってもすてきなレストランでした。
まずはビールを注文し、鹿さんを見ながら
ホッと一息。
外のオープンテラスはすごくにぎやかだかど、中の席は
老夫婦が一組いらっしゃるだけで、
静かにピアノを聴けて、この席で正解!
今日の出来事を思い出してメモをしながら、
美味しいスープを堪能していました。
すると奥から「さくら」の曲が。
ジャズ風にアレンジして、弾いてくれた。
なんてみんな優しいんだろう。
世界中の人って、なんでこんなに親切なんだろう。
旅に出る前はすごく緊張して怖かったけれど、
モロッコでも、リスボンでも、ウィーンでも
ここプラハでも、みんなとてもとても親切で、
世界中の人ってなんでこんなにやさしいんだろう。
私、なんて良い旅をさせてもらっているんだろう。
そう思うと泣けてきて、ウルウルしながら
旅の日記を書き書き。
そこにまた「さくら」の曲が絡まり合う。
私のうるうるは止まらず、涙をぬぐいつつ、
ビール、スープ、日記、ビール、スープ、日記……。
ヒューガルテンビールをさらにいただき、ゆっくりまったり
していたところ、こんどは「ふるさと」を奏でるお兄さん。
この人は日本人の泣かせところを知っているのだろうかと。
私はなんとプラハの街で歓迎されているんだろうと
いよいよ泣けてきて。
トイレに行って、うぁーんって泣いていました。
で、涙もおさまったし席に戻ろうとしたところ、
老夫婦のおばちゃまの方が、トイレに入ってきて
「あなた、全然席に戻ってこないから!泣いてなんでしょ!何があったの?!」
といきなり厳しく声をかけられる。
わたしはびっくりしてなんて言えばいいのか分からず
返答に詰まっていたら、
「どうしたの?!なんで泣いているの?!わたしが聞いてあげるから!!」
あ、泣いている理由を言えばいいんだと、
「みんな優しくって……ピアニストのお兄さんも、
プラハの皆さんも、そしておばちゃんも、
世界中の人がやさしくって泣いています…ウルウルウル」
「?!あなた何言っているの!?でもあなた、何か書いていたでしょ?!
何を書いていたの!?あなた離婚したの?!恋人はいるの!?」
「……!?!?!笑」
どうやら傷心旅行の日本人が、お酒を飲みながら一人泣いて、
遺書か手紙かを書いていたと思われたみたい。
「あなた、嬉しくって泣いているのね!!」
「そうなんですー」
と、メキシカンのおばちゃんとハグしました。
席に帰るとおじちゃまが、遅かったねーと声をかけてくれて、
事情を話すと、メキシコ語でたくさん話しかけてくれた。
いつかメキシコに行く時があれば、お家にお邪魔してみよう!
本日最後の曲が流れ、ピアニストさんにお礼を言いに行った。
お父様が京都に少し滞在されたみたいで、
「京都も街に川が流れていて、山に囲まれた土地なんでしょう?」と。
そのように知っていただけれるのがとても嬉しく思いました。