そしてホテルに向かって海岸沿いを歩く。
行きしと違う道だから、開通している道かよく分からない。
すると釣りを眺めているおじいさんがいた。
この道は通じていますか?と聞くと、
「ぼくもはじめて来たからわからない」とおっしゃる。
何度なくその後、その人と一緒に歩く。
おじさんはすごくすごく物知りで、
イスラムのことを教えてくれた。
正直全然分からないから「よく知りません」というと、
ムハンマドのこととかを説明してくれた。
一生懸命聞いたんだけど、
その時代の歴史、しかも宗教の話を英語で聞くなんて、
私にとっては高すぎるハードル。
単語と簡単な文章だけは一生懸命聞いて、相槌を打っていたら、
インターネットで調べてごらんと。
ごもっとも。お優しい^^
歩いた場所は海岸沿いなんだけど、隣には大きな工事現場が。
けれども工事が止まっていて変な感じ。日曜日でもないのに。
「普段のカサブランカはこんな感じなんですか?」と聞くと、
「今週は日曜日にむけて巡礼の時だから、カサブランカの市民は
家族で地方に出掛けている。工事も止まっているでしょ。町がものすごく静かだよ」と。
そうだったんだ、私はこれが普段のカサブランカだと思っていたよ。
本当は羊のことも聞きたかったけれど、聞くタイミング、逃してしまった。
他にもモロッコのこと、たくさん聞いた。
カサブランカの季節の話、晴れだったのはとても幸運。
春は緑が多くてとてもきれいだよと話してくれた。
海岸での釣りのこと。
「あのおじさん、自分で釣りの餌を作っているね」
というから
「この前私も日本(日本海)で同じように釣りを楽しんだよ」
とか、
「猫が多いのは、魚を食べに来ているからね」
とか。おじさんは道路に落ちている魚を拾って海に返していた。
「モロッコはマラケッシュとか、いい町がたくさんあるよ」
「カサブランカはものすごく大きな港だよ。海岸沿いで工事を
しているのは、ホテルかマンションをたてているから。
マンションが建つとしたら、高級なマンションになるんだろうね。
かサブランカは古い町と新しい町が混在しているんだよ。」
「この建物は会社が入っている、ほら銀行があるでしょ。これは
カサブランカでも大きな銀行だよ」
と。ほかにもたくさんお話をしたけれど、たくさんすぎて忘れた。
あ、あとおじさんは病院に薬をもらいに来た、って言っていたなぁ。
滞在時間はたったの27時間。街に居られる時間は22時間。
短いなぁ。
カサブランカはものすごく広いよ。
最後にメールアドレスを教えてもらって、ホテルの前でサヨナラしました。
(メアドはなくしちゃったけど。残念です)
ちなみにおじさんは、大学の先生でした。
道理であんなに博学で、色々と教えてくれたんだなぁ。
知らない人と話をするのって、本当に楽しい。
1週間一緒にいて全然心に残らない人もいれば、
5分しか一緒にいないのに、心に残る人もいる。
私は絶対に後者になりたい。
そしてその暖かさを増幅させる人になりたい。